Kyo Nishikawa  西川恭  guitar/vo
2014/06/07(土)

José Feliciano ホセ・フェリシアーノ 公式バイオグラフィー和訳

 

近年の展開

コンサートツアーやプロモーション、チャリティーなどから戻ると、ホセは自宅スタジオに入ってリラックスし、エネルギーを充電し、そしてまた自分の音楽を創る。彼がアーティストとして必要とする安息と喜びに出会える場所は、ここをおいては地球上のどこにもないのだ。この場所に戻ることこそが、彼の活力の秘訣なのだ。こうした環境の中、全編オリジナル曲によるスペシャルなアルバム『El Soundtrax de Mi Vida(我が人生のサウンドトラック)』が構想された。5年の歳月をかけレコーディングされた収録曲は、どれも非常に個人的な思いを反映したものである。他にも、彼が優しく『Señora de Seis-Cuerdas(6弦の淑女)』と名付けた、ホセ初の、そして唯一の(今のところ)インストゥルメンタル・アルバム。また、『Clásicos Norteamericanos con Sabor Latino(ラテン風味でおくるアメリカン・スタンダード)』や『los Django-Ismos: la Música de Django Reinhardt(ジャンゴイズム~ジャンゴ・ラインハルトの音楽)』もこの自宅スタジオで制作された。さらにシスター Marie Roccaprioreの主宰する「Spirit Joy Children’s Music Ministry(スピリット・ジョイ少年少女音楽隊)」の2枚のCDや、ビルおじさんことビル・ロザー Bill Rotherのアルバム『Life and Love』もこの部屋で制作された。そして最近スペイン語のロックアルバムを完成させた他、さらに3つのプロジェクトが進行中である。「僕はこの場所で音楽を創っていることが、ただただ好きなんだ。コマーシャルな成功を求めてはいない。作っていること自体が楽しいんだ。」

このホームスタジオで行われたスペシャルプロジェクトのひとつが、直近のリリース作品『The King…by Jose Feliciano』だ。このアルバムは、ホセのフェイヴァリットアーティストであるエルヴィス・プレスリーのナンバーを12曲、ホセ独自のスタイルで演奏したもので、2012年8月に発売された。「僕はエルヴィスから多大な音楽的影響を受けた。なんらかの形で彼に『ありがとう』と伝えたいと、ずっと思ってたんだ。このアルバムでそれができたかもしれないね」。本作はホセ・フェリシアーノの広大な音楽世界を聴く者に垣間見せてくれる、これまでとはまた違った種類のアルバムと言えるかもしれない。

photo: Piotr Bieniecki / www.fototeo.pl

2012年の半ばから、ホセはMBMエンタテインメントおよびハワード・パール・マネジメントと契約し、新しい活動期に乗り込んだ。今後数年間(あるいはさらに長い年月)に渡るホセ・フェリシアーノという存在の明確なブランディングによって、彼のコンサートやレコーディング、関連ビジネス等が、より素晴らしい展開を見せてゆくだろう。

長い年月を通じて、ホセは時間と費用と才能を惜しまずに音楽という贈り物を与え、そのことで世界各地で人道主義者、親善大使といった名声を受けてきた。「故郷や僕の家族、僕自身を助けてくれた人たちのことは、決して忘れないよ」。そういう思いがあるからこそホセは、大切なことだと思った事柄にはしばしば手を貸し、名前を貸して援助することも惜しまない。約70枚のアルバムを発表した驚愕のキャリアを築いた今なお、ホセは手にした数々の栄光の重みに対して謙虚であり、むしろ、今ようやく、自分のできることを世界と共有しはじめたばかりだと感じているのだ。(終)

(訳:西川恭)

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Release date:2014/06/07(土)