6月5日は二十四節気の《芒種》。「芒」の字は、稲や麦などイネ科植物の穂先を表す文字で、そうした植物の種を蒔く時期ということ。その意味の通り、昔は田植えの時期の目安となっていたということです。また、芒種の時期に入ると梅雨入りも間近。実際、6月10日に関東甲信地方の梅雨入りが発表されました。
そんなわけで6月前半の歌声喫茶は、雨にまつわる歌、そして“ジューンブライド”にちなんで、花嫁さんを描いた歌などをまじえて選曲いたしました。
おなじみの童謡「雨降りお月さん」をはじめ、四季折々の雨の様相をみごとにとらえた文部省唱歌「四季の雨」、心地よい雨から雨上がりの街がおしゃれに描かれた「黄昏のビギン」、そして「矢切の渡し」も雨の旅立ちがドラマチックです。

花嫁ソングの方はというと、まずこの時期に欠かせないのが「潮来花嫁さん」です。ハナショウブ(あやめ)が見ごろの5〜6月、潮来市の水郷潮来あやめ園では、昭和30年代まで見られた「潮来花嫁さん」の情景を再現する「嫁入り舟」の催しが行われています。常陸利根川をはさんで対岸側の千葉県・佐原の水郷佐原あやめパークでも同様のイベントがあるようですね。
かぐや姫の「妹」は妹の嫁入り前夜、兄の切ない気持ちを描いた1曲、「世界は二人のために」は昭和40〜50年代の結婚式の余興でよく歌われました。
会場では、喜びと切なさが交錯する花嫁ソングを歌いながら、感情移入しすぎたチャコが思わず涙…という迷場面(?)もありました。
6月前半はハイライトがもうひとつ! ときおり取材協力をさせていただいているNHKラジオ深夜便「夜ばなし歌声喫茶」のための歌声収録です。
「夜ばなし歌声喫茶」は、歌声喫茶で愛唱されてきた数々の名曲について、歌手/芸人のタブレット純さん、深夜便アンカーの工藤三郎アナウンサー、番組ディレクターの齊藤佳奈さんが、それぞれの視点で語り合い、愛唱歌の魅力を深めていくという月1回の生放送。歌声喫茶で収録されたお客さまの歌声も流れて、会場のあたたかな空気感を伝えてくれます。
番組での今月のピックアップ曲は「四季の歌」ということで、齊藤ディレクターが会場の皆さまの歌声をバッチリ収録。いつも通りに歌えばいいだけなのですが、そうはいってもなんだか少し緊張します。無事に収録が完了すると、店内は心地よい開放感に包まれました。
NHKラジオ深夜便「夜ばなし歌声喫茶」
放送予定:6月17日(火)午後11時台〜翌0時台
NHKラジオ第1にて生放送
▶︎ 聴き逃し配信 でもお聴きいただけます
2025年6月25日(水)午前0:00配信終了
そして、その開放感のままに、打ち上げ気分で「明日があるさ」!! 手拍子も軽やかに、とても充実した気持ちで歌い上げ、6月前半の歌声喫茶が幕を閉じました。みなさん、おつかれさまでした!

アンケートによる今回の人気ベスト5と皆さまからのお声はこちらです。
【2025年6月前半 ベスト5】
1位:学生街の喫茶店
2位:サンタ・ルチア
3位:月見草の花、野に咲く花のように
4位:四季の歌
5位:明日があるさ、坊がつる讃歌
- 歌詞を見ながら歌うことで、歌の世界が広がりました。
- コンサートに参加しているような楽しさがあります。
- 歌の知らない部分や歌詞の細かいところがよくわかりました。
- 昭和38年卒業だったので「学園広場」や「明日があるさ」を歌うときは涙が出てきました。
- 歌謡曲、フォーク、ニューミュージック世代です。テレビの歌番組や有線でいろんな歌を自然に覚えました。ああ、あの頃がなつかしい。