懐かしい歌をギター生伴奏で

幅広い世代に親しまれている昭和歌謡の名曲

曲名右の  ボタンから演奏動画を視聴できます。

木綿のハンカチーフ

 
1975年(昭和50年)太田裕美
作詞:松本隆
作曲:筒美京平

1.
恋人よ 僕は旅立つ
東へと向かう列車で
はなやいだ街で 君への贈り物
さがす さがすつもりだ

いいえ あなた
わたしは ほしい物はないのよ
ただ 都会の絵の具に
染まらないで帰って 染まらないで帰って

2.
恋人よ 半年が過ぎ
会えないが泣かないでくれ
都会ではやりの 指輪をおくるよ
君に 君に似合うはずだ

いいえ 星のダイヤも
海にねむる真珠も
きっと あなたのキスほど
きらめくはずないもの きらめくはずないもの

3.
恋人よ 今も素顔で
口紅もつけないままか
見まちがうような スーツ着た僕の
写真 写真を見てくれ

いいえ 草に 寝ころぶ
あなたが好きだったの
でも 木枯しのビル街
体に気をつけてね 体に気をつけてね

4.
恋人よ 君を忘れて
変わってく 僕を許して
毎日愉快に 過ごす街角
僕は 僕は帰れない

あなた 最後の わがまま
贈り物をねだるわ
ねえ 涙ふく木綿の
ハンカチーフ下さい ハンカチーフ下さい

 

就職で都会へ出た男性と地元に残る女性。離れ離れになった二人の心模様が交互に描かれる歌詞の形式がユニークです。かろやかな曲調は耳に心地よく、それがかえって歌詞の切なさを際立たせているようです。

月日とともにうつろう想い、あるいはかわらない想い。いっけん対照的で、どちらかを擁護しどちらかを責めたくもなるものですが、その奥底にある苦悩に思いをめぐらせてみると、私たちはこの男女どちらの心をも持ちあわせているのではないかということに気づき、いっそうの切なさをおぼえます。

昭和49年(1974)に「雨だれ」でデビューした太田裕美さんは、当時のいわゆる“アイドル歌手”とは少し異なり、当時の音楽業界で使われはじめた《ニュー・ミュージック》と呼ばれる若者の音楽指向を意識した形で売り出されました。

ニュー・ミュージックとは、ごくおおまかに言えば、日本のフォークや一部のロックミュージックの総称で、これまでのレコード会社主導で作られた歌謡曲の枠に収まらないシンガーソングライターやグループを指します。太田裕美さんは、一方ではアイドル歌手としてテレビで活躍し、一方ではニュー・ミュージック系のミュージシャンとともにコンサート出演するなど、歌謡曲とニュー・ミュージックの架け橋的な存在として活躍しました。

蛇足ですが、11月3日は「ハンカチーフの日」。日本ハンカチーフ連合会が昭和58年に制定しました。マリー・アントワネットが「国内のハンカチはすべて正方形にすべし」という布告を夫の国王ルイ16世に出させたことから、彼女の誕生日11月2日に近い祝日を記念日としたということです。

なぜ正方形に限定したのか。マリー・アントワネットは、国民のハンカチを正方形に統一することで、自分だけはさまざまな形のハンカチを持って特別感を高めたかったのだとか。支配者の思考とはこういうものなのか知らん。

【参考文献】
宮川泰『サウンド解剖学』(中央公論社)
富沢一誠『ザ・ニューミュージック』(潮出版社)
※国立国会図書館デジタルコレクション

◎チコ編曲によるギター伴奏楽譜のご購入は以下のオンライン楽譜販売サイトでどうぞ

Piascore楽譜ストア mucome ミューカム kokomu ココミュ


投稿者:チャコ&チコの歌声喫茶
記事公開日:2023/04/03(月)