Kyo Nishikawa  西川恭  guitar/vo
2026/07/15(水)

雨の昼下がり Esta Tarde Vi Llover【訳詞】

 

「Esta Tarde Vi Llover」には、日常のどんな風景を見ても、そこに愛する人がもういないという事実を思い知らされてしまう主人公のやるせない想いが綴られています。

伝統的なボレーロのリズムに乗ったやさしいメロディーは、モダンな和声に彩られ、曲が進むにつれて主人公のつのる想いを表すように感動的な高まりを見せます。

メキシコの作曲家/歌手(cantautor=シンガーソングライター)アルマンド・マンサネーロの作品は、日本ではおそらくグラシェラ・スサーナ歌唱の「アドロ」が最も知られていると思いますが、”Rey del Romanticismo”(ロマンティシズムの王)の異名を持つマンサネーロの真骨頂は、「Somos Novios」や「Esta Tarde Vi Llover」「Contigo Aprendí」といった長調のボレーロの方にあるように思います。

Esta Tarde Vi Llover (1967)
música y letra : Armando Manzanero

訳詞:西川恭

雨の昼下がり
急ぐ人波
あなたはいない
星降る夜の
青い輝き
あなたはいない

黄昏の
小鳥たちは恋に落ちて
口づけを交わす
でもあなたはいない

雨の昼下がり
急ぐ人波
あなたはいない
秋の訪れを
歌う海辺に
あなたはいない

捧げてくれたのは
愛ですか それとも…
そぼ降る雨に
急ぐ人波
あなたはいない


Esta tarde vi llover
vi gente correr y no estabas tú.
La otra noche vi brillar
un lucero azul y no estabas tú.

La otra tarde
vi que un ave enamorada
daba besos a su amor, ilusionada,
y no estabas.

Esta tarde vi llover
vi gente correr y no estabas tú.
El otoño vi llegar,
al mar oí cantar y no estabas tú.

Yo no sé cuánto me quieres,
si me extrañas o me engañas,
sólo sé que vi llover,
vi gente correr y no estabas tú.

vi:ver 見る、見える(点過去・一人称単数)
llover:雨が降る
correr:走る
brillar:輝く
lucero:[男] 金星、明星
azul:青い
ave:[女] 鳥
enamorada:恋をしている
ilusionada:夢を抱いた、期待した
mar: [女] 海
oí:oír 聞く、聞こえる(点過去・一人称単数)
otoño:[男] 秋
extrañar:恋しく思う
engañar:だます、欺く

【対訳】
今日の午後、雨が降るのを見たんだ
人々が走りゆくのを見たんだ
でも、そこにあなたはいなかった
別の夜には
青い星が輝くのを見たんだ
でも、そこにあなたはいなかった

また別の日の午後
恋に落ちた鳥たちを見たんだ
胸を高鳴らせて
愛する者にキスをしていたよ
でも、そこにあなたはいなかった

今日の午後、雨が降るのを見たんだ
人々が走りゆくのを見たんだ
秋がやってくるのを見たんだ
海に響く秋の調べを聞いたんだ
でも、そこにあなたはいなかった

あなたが愛してくれるのかわからない
僕を想ってくれているのか 惑わすだけなのか
ただわかることといえば
雨が降るのを見たこと
人々が走りゆくのを見たこと
そして、そこにあなたはいなかった


Release date:2026/07/15(水)