懐かしい歌をギター生伴奏で

秋から冬へと向かう季節にやさしくよりそってくれるような1曲

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公園の手品師

 
1958年(昭和33年)フランク永井
作詞:宮川哲夫
作曲:𠮷田正

鳩がとびたつ公園の
銀杏は手品師 老いたピエロ
薄れ日に微笑みながら 季節の歌を
ラララン ラララン ラララン
唄っているよ
貸してあげよかアコーディオン
銀杏は手品師 老いたピエロ

雲が流れる公園の
銀杏は手品師 老いたピエロ
口上は云わないけれど
慣れた手つきで
ラララン ラララン ラララン
カードをまくよ
秋がゆくんだ冬がくる
銀杏は手品師 老いたピエロ

風が冷たい公園の
銀杏は手品師 老いたピエロ
何もかも聞いていながら
知らん顔して
ラララン ラララン ラララン
すましているよ
呼んでおくれよ幸せを
銀杏は手品師 老いたピエロ

 

昭和29年に東宝映画『男性NO.1』(監督:山本嘉次郎、脚本:井手雅人)の劇中歌として、鶴田浩二さんが歌ったのが最初です。

フランス映画『巴里の屋根の下』の主題歌へのオマージュともとれるイントロから、異国の雰囲気漂う和製シャンソン風の趣きが感じられ、秋から冬へと向かう季節にやさしくよりそってくれるような1曲です。

作詞の宮川哲夫氏は、このころ町田市の忠生に暮らし、子供を連れて自然豊かな村里をよく散歩したのだそうです。近くの林の小径には寺があり、そこには大銀杏があったといいます。「公園の手品師」には、その風景が反映されているのかもしれません。

フランク永井さんは作曲家・𠮷田正氏の門下生としてこの曲に触れ、ぜひ自分の持ち歌にさせてほしいと𠮷田氏に頼み込んだといいます。その後「公園の手品師」は昭和33年に朝日放送「ホームソング」で発表され、フランク永井さんの代表曲と言えるまでの1曲となりました。

【参考文献】
金子勇・著『ミネルヴァ日本評伝選 𠮷田正』(ミネルヴァ書房)
宮川哲夫・著、松本三朗・編『公園の手品師:宮川哲夫詩集遺稿』(宮川哲夫遺作品編集室)※
※国立国会図書館デジタルコレクション


投稿者:チャコ&チコの歌声喫茶
記事公開日:2024/10/26(土)