懐かしい歌をギター生伴奏で

三浦洸一さんは端正で正統的な歌唱で「東京の人」「踊子」などをヒットさせました。

落葉しぐれ

 
1953年(昭和28年)三浦洸一
作詞:吉川静夫
作曲:吉田正

旅の落ち葉が しぐれに濡れて
流れ 果てない ギター弾き
のぞみも夢も はかなく消えて
唄も なみだの 渡り鳥

酒にやつれて 未練にやせて
男 流れの ギター弾き
あの日も君も かえらぬものを
呼ぶな 他国の 夜のかぜ

暗い裏町 酒場の隅が
せめて ねぐらの ギター弾き
灯かげもさみし 蛍光燈の
かげに しみじみ ひとり泣く

 

三浦洸一さんは東洋音楽学校(現・東京音楽大学)声楽科を卒業後、作曲家の吉田正氏に師事。「弁天小僧」「東京の人」「踊子」など数多くのヒット曲があります。

落葉しぐれ」はデビュー年である昭和28年9月に発表しヒットした曲です。同年5月のデビュー曲「さすらいの恋唄」も歌詞の主人公は流しのギター弾きでした。よるべない想いを抱えてさまようその姿に、哀しみとおかしみがにじんでいます。

和製タンゴに絶妙に“いなたさ”が配分されたぼくとつとした曲調は作曲家・吉田正氏の主要なスタイルのひとつです。いっけん正反対の世界観にも見える昭和30年代を席巻する吉田氏の都会派歌謡も、このスタイルに根ざしています。「夜霧の第二国道」「霧子のタンゴ」などの曲では、その“いなたさ”をふくんだリズムと歌詞の都会的な情景が、さらに複雑な味わいと旨みを醸しているような気がします。

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投稿者:チャコ&チコの歌声喫茶
記事公開日:2023/04/04(火)