懐かしい歌をギター生伴奏で

歌われている花は「ニセアカシア」。初夏に白い花を咲かせます。

アカシアの雨がやむとき

 
1960年(昭和35年)西田佐知子
作詞:水木かおる
作曲:藤原秀行

アカシアの雨にうたれて
このまま 死んでしまいたい
夜が明ける 陽がのぼる
朝の光のその中で
冷たくなった 私を見つけて あのひとは
涙を流して くれるでしょうか

アカシアの雨に泣いてる
切ない 胸はわかるまい
想い出の ペンダント
白い真珠のこの肌で
淋しく今日も 暖めてるのに あのひとは
冷たい目をして どこかへ消えた

アカシアの雨がやむとき
青空 さして鳩が飛ぶ
むらさきの 羽根の色
それはベンチの片すみで
冷たくなった 私の脱け殻 あのひとを
探してはるかに 飛び立つ影よ

 

西田佐知子さんの代表的なヒット曲。

作詞者の水木かおる氏は同じく西田佐知子さんの「エリカの花散るとき」や、渡哲也さんの「くちなしの花」などを手がけています。

「アカシアの〜」と歌われるこの植物。正式な名前は「ニセアカシア(和名:ハリエンジュ)」。北アメリカ原産の落葉高木で、白く香りの強いきれいな花を初夏に咲かせます。街路樹などによく使われています。

内堀通りには明治7年にニセアカシアが植栽されました。これが日本で最初の近代的街路樹のひとつで、「市内最初の並木」の石碑と案内板が建てられています。なお、現在の街路樹はニセアカシアではなく、エンジュが植えられているようです。

石原裕次郎さんの「赤いハンカチ」に出てくる《アカシヤの花の下で〜》や「恋の町札幌」の《アカシヤも散った》、北原白秋・作詞「この道」の《あかしやの花が咲いてる》、さらに小畑実さんの「星影の小径」に登場する《あなたのささやきはアカシヤの香りよ》、これらはいずれもニセアカシアのことです。

「ニセ」と付いているわけですから、ニセでない“本来の”アカシアが存在します。こちらは熱帯・温帯で育ち、春に小さな黄色の花がたわわに咲く広葉樹です。俗に「ミモザ」とも呼ばれ、奈良光枝さんの「赤い靴のタンゴ」に《春はミモザの花もにおう》と歌われています。

日本にはこの本来のアカシア(ニセでないアカシア)よりも先に、明治のはじめにニセアカシアが輸入され、これを「アカシア」と呼んでしまっていました。そのため、のちに本来のアカシアが入ってきた際に、両者を区別するために、それまでアカシアと呼んでいたものを「ニセアカシア」と正しく呼ぶ必要が出てきたというわけです。ややこしい話であります。


投稿者:チャコ&チコの歌声喫茶
記事公開日:2022/04/25(月)