懐かしい歌をギター生伴奏で

アメリカンポップスがフランス経由で和製シャンソンのスタンダードに

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ラストダンスは私に

 
1961年(昭和36年)越路吹雪
作詞・作曲:DOC POMUS, MORT SHUMAN
訳詞(フランス語): André Salvet, François Llenas
訳詞(日本語):岩谷時子

1.
あなたの好きな人と
踊ってらしていいわ
優しい ほほえみも
そのかたにおあげなさい
けれども あたしがここにいることだけ
どうぞ忘れないで

2.
ダンスはお酒みたい
心を酔わせるわ
だけど お願いね
ハートだけはとられないで
そしてあたしのため 残しておいてね
最後の踊りだけは

あなたに夢中なの いつか二人で
誰も来ないとこへ 旅に出るのよ

3.
どうぞ 踊ってらっしゃい
あたしここで待ってるわ
だけど 送って欲しいと頼まれたら断わってね
いつでも あたしがここにいることだけ
どうぞ忘れないで

ラララ...

きっとあたしのため 残しておいてね
最後の踊りだけは
胸に抱かれて踊る
ラストダンス
忘れないで

 

原曲は、「渚のボードウォーク Under the Boardwalk」(1964)や「アップ・オン・ザ・ルーフ Up on the Roof」(1962)などのヒットで知られるアメリカのR&Bコーラスグループ、ザ・ドリフターズの「Save the Last Dance for Me」(1960)。

当時グループのリード・ボーカリストだったベン・E・キングは、間もなく同グループを脱退し、1961年にソロ歌手として「スタンド・バイ・ミー」を大ヒットさせています。

越路吹雪さんによる日本語版の直接の原曲となっているのは、フランスの歌手ダリダによるフランス語カバー「Garde-moi la dernière danse」(1961)。フランス語版の女性目線の歌詞、曲の基本的なアレンジと雰囲気を聴くと、岩谷時子さんがこの曲を原曲のアメリカンポップスからではなく、このフランス語版にのっとって、シャンソンとして訳詞を行ったことが想像されます(※)。

フランス語訳詞に忠実に、かつ越路吹雪さん向けにあて書きされた日本語歌詞により、この曲は和製シャンソンのスタンダード曲のひとつになりました。

【参考サイト】
※本記事作成にあたり、フランス語歌詞と邦訳についてこちらのサイトを参考にさせていただきました。
朝倉ノニーの〈歌物語〉:ラストダンスは私に

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投稿者:チャコ&チコの歌声喫茶
記事公開日:2025/06/25(水)