7月の最終週は特別編《日本列島うたごえ旅》でした。
歌声日記を振り返ってみると、最初にこの企画を開催したのは2015年のこと。以来、お休み期間はあったものの、10年に渡って毎年この旅を続けてきたのですね。
歌う曲目はその年によって多少ちがいますが、1曲目は「鉄道唱歌・東海道編」(ショートバージョン)でスタートするのがお決まりです。“汽笛一声”勢いをつけて日本全国歌の旅がはじまりました。

「箱根八里」は難解な歌詞と抑揚豊かなメロディーが、まさに箱根の山のごとく次々と迫ってきます。「一夫関に当るや 万夫も開くなし」とか「羊腸の小径は 苔滑か」とか日常的には使わない言葉ですが、これをみんなで声を合わせて歌うとなんと気持ちの良いこと! 長年歌ってきましたが、あらためてこの歌の魅力を実感した次第です。
三浦洸一さんの「踊子」は言葉の美しい響きが印象的です。「絵のように あてやかな」という歌詞があるのですが、この「あてやか(貴やか)」という語、《上品で美しいさま、とうとくみやびやかな》といった意味(新国語辞典・大修館書店 1963)で、派手さを含む「あでやか(艶やか)」とは少しニュアンスが異なるようです。
「武田節」は山梨県民の愛唱歌。以前より山梨出身のお客様から「真面目くさって歌うのではなく、みんなで楽しげに歌うのが大事」とご指導を賜っていたので、今日もそれを心がけてみました。そして間奏部分ではそのお客様に「疾きこと風の如し…」の詩を吟じていただき、会場はたいへん盛り上がりました。
「五木の子守唄」「長崎の鐘」「芭蕉布」と九州・沖縄まで進み、今度は北へ。おなじみの「北上夜曲」「リンゴ追分」そして「知床旅情」。日本全国、さまざまな土地の空気を歌を通して感じることができました。
各地の民謡や地方小唄(新民謡)、ご当地ソングは数かぎりなくあります。これからもまだまだ歌の旅ができそうです!

【2025年7月特別編 人気ベスト5】
1位:長崎の鐘
2位:北上夜曲
3位:芭蕉布、知床旅情
4位:琵琶湖周航の歌、瀬戸の花嫁
5位:波浮の港、女ひとり、砂山
- 「芭蕉布」はクルージングで沖縄に行った時に船の中で教えてもらった曲です。
- 山梨県出身なので「武田節」良かったです。
- 一人では歌えない歌でもギターとピアノに合わせて歌わせていただきました。楽しい時間をありがとうございました。
- 5月に大怪我をして、今日やっと参加できてよかったー! 皆さんと一緒に大声で歌えて感激です。
- 暑い日でしたがご一緒できて幸せでした。
- 活気があってよかった。どの歌も気持ちが入って歌えました。
- 今日はヘタな詩吟も披露できて、兄の話もできて良かったです。聞いてくださる方がいて苦労が報われた気がしました。ありがとうございました。