懐かしい歌をギター生伴奏で

“晋平節”と呼ばれる明るいメロディーの中にかすかにひそむ哀感が趣深い

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あの町この町

 
1924年(大正13年)
作詞:野口雨情
作曲:中山晋平

あの町この町
日が暮れる 日が暮れる
今きたこの道
かえりゃんせ かえりゃんせ

おうちがだんだん
遠くなる 遠くなる
今きたこの道
かえりゃんせ かえりゃんせ

お空にゆうべの
星が出る 星が出る
今きたこの道
かえりゃんせ かえりゃんせ

 

明治20年(1887年)、長野県下高井郡新野村(現・中野市)に生まれた作曲家・中山晋平は、父親が早くに亡くなり家計が苦しかったため、尋常小学校卒業後は進学を断念し、家の農事を手伝っていました。

一年程の後、向学心の高かった晋平の心中を思った母の勧めで高等小学校へ入ることとなりますが、やがて学資の窮乏により通学ができなくなり、晋平は小諸の呉服店に奉公に出ることになります。

後年、この頃のことをふりかえり、「夕方になると故郷の山をながめては家に帰りたくて涙をこぼした」と西條八十に語ったといいます。

中山晋平は「こどもの歌は晴れやかなものにしたい」という想いで童謡を作曲し、それがいわゆる“晋平節”の特徴ですが、明るいメロディーの中にかすかにひそむ哀感は、少年時代のこうした経験と心象がにじみでているものかもしれません。

【参考文献】
和田登・著『中山晋平 唄の旅人』(岩波書店)
斉藤武雄ほか・著『定本 中山晋平 : 唄とロマンに生きた全生涯』(郷土出版社)※
※国立国会図書館デジタルコレクション


投稿者:チャコ&チコの歌声喫茶
記事公開日:2026/03/18(水)