懐かしい歌をギター生伴奏で

石原裕次郎さんの生前最後のシングルとなった1曲です。

曲名右の  ボタンから演奏動画を視聴できます。

北の旅人

 
1987年(昭和62年)石原裕次郎
作詞:山口洋子
作曲:弦哲也

たどりついたら 岬のはずれ
赤い灯がつく ぽつりとひとつ
今でもあなたを 待ってると
いとしいおまえの 呼ぶ声が
俺の背中で 風になる
夜の釧路は 雨になるだろう

古い酒場で 噂を聞いた
窓の向こうは 木枯らしまじり
半年前まで いたという
泣きぐせ 酒ぐせ 涙ぐせ
どこへ行ったか 細い影
夜の函館 霧がつらすぎる

空でちぎれる あの汽笛さえ
泣いて別れる 最果て港
一度はこの手に 抱きしめて
泣かせてやりたい 思いきり
消えぬ面影 たずねびと
夜の小樽は 雪が肩に舞う

 

石原裕次郎さんは昭和62年7月17日に他界、8月10日に追悼盤としてこの曲が発売されました。録音は生前最後のシングルとなった「わが人生に悔いなし」とともに、ハワイ療養中にオアフ島のスタジオで行われていました。

作詞の山口洋子さんは、昭和32年に東映ニューフェイス第4期に選ばれますが2年ほどで引退し、その後銀座でクラブを経営。昭和42年頃から作詞活動を開始し、「噂の女」「よこはま・たそがれ」など多くのヒット作を送り出しました。裕次郎さん昭和52年の「ブランデーグラス」でも作詞を手がけています。

山口さんは作詞家として多忙を極めていたあるとき、作曲家の猪俣公章氏とレコーディングディレクター氏の三人で北海道・釧路へ逃避行したことを、昭和51年の雑誌のエッセイで語っています。山口さんにとって釧路は演歌の似合う街。雨の釧路の短い旅の思い出は、10年後の「北の旅人」のモチーフのひとつとなったのかもしれません。

【参考文献】
山口洋子・著「釧路 わたしの演歌街」『ふるさとへの旅:日本の四季 第8巻』(国際情報社)
朝日新聞社・編『石原裕次郎』(朝日新聞社)
※国立国会図書館デジタルコレクション


投稿者:チャコ&チコの歌声喫茶
記事公開日:2022/02/20(日)