懐かしい歌をギター生伴奏で

「花の街」は戦後の荒廃した日本にやさしく染み渡り、人々に復興の希望を与えました。

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花の街

 
1947年(昭和22年)
作詞:江間章子
作曲:團伊玖磨

1.
七色の谷を越えて
流れていく 風のリボン
輪になって 輪になって
駆けていったよ
春よ春よと 駆けていったよ

2.
美しい海を見たよ
あふれていた 花の街よ
輪になって 輪になって
踊っていたよ
春よ春よと 踊っていたよ

3.
すみれ色してた窓で
泣いていたよ 街のかどで
輪になって 輪になって
春の夕暮れ
ひとり寂しく 泣いていたよ

 

NHKのラジオ番組『婦人の時間』のための音楽として作られました。

『婦人の時間』は、戦後の民主社会において女性の地位を向上し、男女同権を真に実現するために、新憲法や婦人参政権についての啓蒙教育、家計と結びつけた経済知識、母親にも大きく関わる新教育制度、そして音楽・文化などを幅広く取り上げ、日曜日を除く毎日、昭和20年から38年まで18年間にわたって放送された番組です。

NHKから「人々に夢を与える歌を」という依頼を受けた江間章子氏は、どこの街をモデルにということではなく、幻の街を頭に思い浮かべて、こうあってほしいという願望を描いたといいます。

【参考文献】
日本放送協会・編『ラジオ年鑑 昭和23年版』(日本放送出版協会)※1
喜早哲『日本の抒情歌』(誠文堂新光社)※2
※1・2:国立国会図書館デジタルコレクション


投稿者:チャコ&チコの歌声喫茶
記事公開日:2025/09/23(火)