昭和10年代
》:13件歌のモチーフは、1907年(明治40年)から「やまと新聞」で連載された泉鏡花の小説『婦系図』を原作とし、その後多くの舞台や映画となった、主人公・早瀬主税(はやせ・ちから)とお蔦の悲しい別れの物語です。 原作小説は、主人公… 続きを読む →
昭和18年(1943)に公開された東宝映画『伊那の勘太郞』主題歌(監督:滝沢英輔、主演:長谷川一夫、山田五十鈴)。映画は、幕末の時代、土地の親分との争いで三年前に姿を消した勘太郎が、故郷・伊那に戻り、勤王の志士・天狗党の… 続きを読む →
昭和13年の夏、軽井沢に避暑に訪れていた西條八十のもとに作詞の依頼が舞い込みます。川口松太郎氏の小説を原作とする、田中絹代さん、上原謙さん主演の松竹映画『愛染かつら』(監督:野村浩将)の主題歌です。しかも、「急いでいるの… 続きを読む →
作曲家・服部良一氏は昭和12年のこの曲で、“日本のブルース”という独自のスタイルを確立し、大ヒット作曲家としてのスタートを切りました。その意味で「別れのブルース」はいわゆる“服部メロディー”の記念碑的な曲といえます。 服… 続きを読む →
昭和35〜36年、フランク永井さんの「君恋し」や佐川満男(佐川ミツオ)さんの「無情の夢」など、昭和初期〜10年頃の曲をアレンジしたカヴァーバージョンが相次いでヒットしました。いわゆる“リバイバル・ブーム”です。 「雨に咲… 続きを読む →
望郷の想いを哀愁に満ちた旋律にのせて綴る、古賀メロディーの傑作です。 作曲家・古賀政男が幼少期の思い出を作詞の西條八十に伝え、それをもとにこの詩ができたということですが、八十自身も嫁ぐ姉との別れという喪失感を16歳の時に… 続きを読む →
NHK『ラジオ歌謡』の前身にあたる番組『国民歌謡』で放送されました。 歌詞は島崎藤村の詩集『落梅集』(明治34年)に収められた詩。民俗学者・柳田國男が藤村に語った、愛知県伊良湖岬の恋路ヶ浜に流れ着いた椰子の実の話がモチー… 続きを読む →
作曲した八洲秀章氏は「さくら貝の歌」「あざみの歌」「山のけむり」などの美しい名曲抒情歌の作者として知られます。 その八洲氏の初期作品と言えるこの曲は、一聴すると戦前流行歌風のアップテンポの曲調ですが、流れる旋律はたしかに… 続きを読む →
昭和24年にNHK『ラジオ歌謡』で発表されたこの曲が作られたのは昭和14年のこと。 作曲家・八洲秀章氏が、病で失った恋人を想って詠んだ一首《わが恋の如く悲しやさくら貝 かたひらのみのさみしくありて》。これを友人である土屋… 続きを読む →
“昭和モダン”と呼ばれる西洋文化を折衷した新しいライフスタイルが社会に生まれた時代。服部メロディーの黄金期の作品のひとつです。 昭和10年頃にはすでにコーヒーは庶民にも浸透し、東京市内にも相当数の喫茶店があったといいます… 続きを読む →
昭和24年(1949年)にスタートしたNHKのラジオバラエティーショー『陽気な喫茶店』の番組テーマ的な位置付けで、歌詞の通り、人々の心に「陽気な唄」を届けました。歌ったのは荒井恵子さん。NHKのど自慢の第一回全国大会で「… 続きを読む →
歌のモチーフは明治28年(1895)に発表された樋口一葉の名作短編小説と評される『十三夜』。 物語は主人公・お関が嫁ぎ先の家を飛び出し、両親の住む実家に戻って来たところから始まります。お関は自分に対する夫の冷酷な態度と、… 続きを読む →
李香蘭(山口淑子)主演の映画「支那の夜」の劇中歌として発表されました。 蘇州は長江の南側、上海に隣接する都市。古くから水運の町として栄え「東洋のヴェニス」とも呼ばれてます。歌詞の最後に登場する寒山寺は臨済宗の仏教寺院。毎… 続きを読む →

